2015年版 歯ピカクラブ通信
12月号「脱灰(だっかい)について」
今月のテーマは『脱灰(だっかい)』です。
歯の表面の一部が他よりも白くなっている所はありませんか??
気が付くと白くなっている…、なんてこともあります。今回はそのような他の歯質よりも白くなっているところ『脱灰』についてのお話です。
歯に穴があくことが虫歯なのか?
虫歯
@歯に穴があいている状態
A歯に穴があいていない状態
の2つに分けられます。
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初期の虫歯(初期う蝕)は穴があいておらず、歯の表面の少し下のところから歯の質が溶け出し、他の所よりも弱く、脆くなってしまい表面は白っぽく見えているのです!
この現象を脱灰といいます。一度白くなってしまうと元に戻すことは難しいですが、ここで覚えておきたいことは、脱灰している所はまだ細菌の侵入が無いという事です!
そのため進行し、歯に穴をあける細菌が侵入する前にフッ化物による再石灰化を促進することが重要になります。
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再石灰化はフッ化物がなくても生理的に生じます。しかしフッ化物を応用することで生じる再石灰化は、何も塗布していない健康な歯より酸に対する抵抗力が約2倍になると言われています。歯科医院でのフッ化物塗布の他に、自宅でもフッ化物配合の歯磨き粉やMIペースト(※)を使用していただけると再石灰化をさらに促進することが出来ます。
(※MIペーストは牛乳アレルギーの方は禁忌)
11月号「虫歯になりにくい間食について」
子どもにとって間食は大切なエネルギー源です。
しかし、間食が原因で虫歯になってしまう可能性があります。
そこで今月のテーマは『虫歯になりにくい間食』についてです。
規則正しい食習慣に比べて間食が多い食習慣は虫歯になるリスクが高くなります。
食後は口腔内が酸性に傾きます。虫歯を作る環境ができている状態です。
唾液の働きによって中性に戻りますが、一定の時間がかかるため次の食事までに時間がないと緩衝能(溶かされた歯を元に戻そうとする働き)は発揮できません。
これが虫歯を作る大きな原因の一つです。
さらに、砂糖を多く含むアメやジュースなどのお菓子も虫歯になりやすいので要注意です。
子どもの間食は決してNGではありません。正しい知識を覚えて虫歯になりにくい楽しいおやつの時間を過ごしましょう!!
10月号「床矯正について」
最近では、子供の頃からの矯正をよく見かける事があると思います。
今月のテーマは『床矯正』について、お話しさせていただきます。
【床矯正について】
歯並びの多くの問題は顎の骨の成長不足によつて歯が並ばなかったり上下の顎のどちらかの成長不足により出つ歯や受け口になります。
床矯正は顎の成長のピーク時期を利用し歯のスペースを確保する為の装置です。
取り外しが出来ますが効果を得る為には一日10〜 14時間以上、装着する必要があります。
お子様の努力も必要となります。
【いつ頃から始めるのがいいのか】
前歯の生え変わりが終わった後の9歳までの犬歯が生えてくる間は2年ほどの期間は歯が抜けることがありません。
グラグラの歯が何力所もあつたり歯が生えてきたりするような状況よりお口の環境が変化する事なく落ち着いて矯正治療する事が出来ます。
ただし、成長に個人差がありますので目安の一つになります。
9月号「母子感染について」
みなさんご存知でしたか。実は!!生まれたての赤ちゃんには虫歯菌はいません。では虫歯菌はいったいどこからやってくるのでしょうか。なんと虫歯菌は赤ちゃんの周囲にいる人達のお口の中からやってくるのです。
そこで今月のテーマは『母子感染』についてです。
【虫歯菌の感染を防ぐには??】
1) お母さんや赤ちゃんのそばにいる周囲の人達がお口の中を清潔に保ちましょう。
虫歯があると一生懸命歯みがきしても口の中の虫歯菌は増えてしまう環境です。虫歯は早めに治しましょう。
また歯医者での定期的なクリーニング(歯石や日常の歯みがきでは取りきれない汚れの除 去)によって口の中を汚れにくくし、虫歯菌を減らす効果があります。2,3ヶ月毎にクリーニングを行うといいですね。
2) お子さまとのスプーン、箸、ペットボトルなどを共有しないようにしましょう。
虫歯菌は唾液を介して感染するため、食べ物の口移しや、かみ与えをしないように
しましょう。
また、フーフーして冷ましたものを与えない、
お子さまのお口にチューしないなどです。
そうしたことを徹底すれば虫歯菌はうつりにくくなります。
【感染の窓】
どの年齢も感染の危険性はありますが、特に感染の危険性が高いのがだいたい1歳半〜3歳くらいの間で、この時期は「感染の窓」と呼ばれ最も注意が必要とされています。
虫歯の原因菌であるミュータンス菌が感染する時期が遅ければ遅いほどお子さまの虫歯予防につながります。

お子さまが一生健康な口腔内でいるためには出来るだけ早い時期に予防習慣を身につけることが大切です。それは赤ちゃんがお腹の中にいる時からがスタートなのです。
8月号「噛んで 歯・顎・脳を育てる」
@噛むと歯が育つ
噛む力は、歯だけではなく、唇・頬・舌などの口腔周囲筋やものを飲み込む機能との連携があってこそ発揮されるものです。噛む行為のスタートは、乳房哺育(母乳)と正しい離乳食から始まります。
A噛むと顎の骨も育つ
乳歯時代から顎の骨を大きく育てることで、将来歯並びの良い子に(永久歯は、乳歯の1.2倍)
B噛むと唾液の分泌が促進される
<唾液の効能>
1.再石灰化作用が虫歯を防ぐ。
2.細菌に抵抗する。
3.消化を助け病気を防ぐ。
4.発がん物質の働きを抑える。
5.味が良くわかる。
6.細胞を増やす。
C噛むと前頭前野が活性化する
<前頭前野の働き>
考える・記憶する・感情をコントロールする・状況に合わせて判断する・学んだ技術や知能を生かす・アイデアを生み出すなど。
*かみかみ素材*
よく噛む食材は、硬いものとは限りません。
一口30回噛んでも、なくならないものは例えば…
小松菜・繊維質の多い根菜類(ごぼう・人参・大根)・キノコ類・油揚げ・海苔・豆類・乾物・海藻類・干し魚・ナッツ類などです。
食べるという字は人を良くすると書きます。
よく噛んで“歯・顎・脳”を育てましょう!
7月号「簡単に虫歯菌の数を測定できる『唾液検査(RDテスト)』について」
虫歯菌の数は人それぞれ違い、
当然虫歯菌の多い子ほど虫歯になりやすい傾向にあります。
今回のテーマは簡単に虫歯菌の数を測定できる『唾液検査(RDテスト)』についてです。
【RDテストとは】
唾液中の虫歯の原因菌に敏感に反応するレサズリンという指示薬を用い、指示薬の色の変化により15分という短時間で虫歯の原因菌の数を測定することができます。
このテストにより、お口の中の衛生状態を知ることができます。
【RDテストの方法】
- RDテスト用のシールにスポイトで採取した唾液を滴下し、湿潤させます
- 1のシールを腕に貼り15分そのまま放置します
- 15分後シールの色の変化度合を標準比色表と比較して判定します
結果 |
評価 |
Low
(L) |
今のところ心配ないようです。
これからも歯磨きを続けて、きれいな状態を保ちましょう。 |
Middle
(M) |
お口の中をきれいにしましょう。
歯磨きを丁寧に行い、常に口の中を清潔にしましょう。 |
High
(H) |
むし歯菌がたくさんいます。
このままではむし歯菌がどんどん増えそうです。
砂糖の入った食べ物はできるだけやめて、食べた後は必ず歯を磨きましょう。 |
【RDテストの注意点】
正確なデータを得るために、来院前2時間は飲食・歯磨き・洗口を控えてください
唾液検査により虫歯菌の数の多さを知り、
その後の虫歯予防に立ててみては
いかがでしょうか?
6月号「矯正が必要かもしれない歯並びについて」
大切なお子さんの歯並びが正しいかどうかご存知ですか?今月は、こんな状態になったら矯正が必要かもしれないという歯並びについてです。






@過蓋咬合(かがい咬含)
咬み合せが深く、下顎の前歯が隠れている状態。
前歯で物がよく噛めない歯並び。
A叢生(そうせい)でこぼこ
歯の大きさや生える方向がバラバラな状態。
物を上手く噛めず、虫歯になりやすい歯並び。
B受□ (うけぐち)
下顎が前に出ている状態。
物も上く噛めず、下顎から空気が抜けるので上手に話すのが難しい歯並び。
C上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上の歯が前に出ている状態。
奥歯では噛めますが、前歯で噛み切ることができない歯並び。
D開咬(かいこう)
噛んでも前歯に隙間ができる状態。
奥歯でしか物が噛めず、常に歯の間から空気が抜けるため上手に話すのが難しい歯並び。
E上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)
上下の前歯が突き出ている状態。
歯が斜めに出ているので細く物を噛めず、冒に負担をかけてしまう歯並び。
矯正治療は早めに行うことをお勧めします。特に女の子は日春期に入つてから治療を始めると、見た目が気になって人前で笑顔を作ることに抵抗を感じる場合もあり笑顔を作らなくなる場合もあります。歯並びについてお気軽にお尋ねください。
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